2014年4月16日水曜日

エスカ&ロジーのアトリエ感想。調合はいつからお手軽電子釜になってしまったのか

エスカ&ロジーのアトリエ感想。調合はいつからお手軽電子釜になってしまったのか


アニメを見る事はあまり無いのですが、アトリエという文字に惹かれて“エスカ&ロジーのアトリエ”の1話を見てみました。
その調合シーンに僕はちょっとがっかりです。


僕はエリーのアトリエというアトリエシリーズ2作品目が凄く好きで、その後もPS2作品であるリリー、ユーディーなども楽しんで遊んでいた記憶があります。そんなわけで最近のアトリエはどうなっているんだろうと少し興味を抱いたのです。

アトリエシリーズも15作目であるだけに、世界設定も重厚な感じになっていて最初は驚いたものですが、しかしそれでいてアトリエシリーズ特有の緩い雰囲気もある、今後が非常に期待できる良い1話だったと思います。


ただどうしても納得がいかなかったのは調合シーン。
鍋に材料ぶち込んでどーん、はい完成!と表現され、非常に違和感がありました。
いやいやそんな3Dプリンターみたいなお手軽な物じゃないでしょう調合は、と思って他の方の感想記事なんかを読んでいたのですが、

「お決まりの調合シーン」「皆が謎だと思ってた調合シーンをそのまま再現」

などと評価が高く、あれれれれ、と思ってしまいました。

調合と器具

アトリエシリーズといえば調合がお馴染みです。
材料を採取し、その材料を選んで調合を開始すると新しい何かができる・・・という過程がとても楽しい。

魔法が使えるような素敵なアイテム!なんてのももちろんあるのですが、薬から食料、爆弾、装飾品などなど作れるアイテムは多岐に渡っていて、新しいアイテムのレシピを手に入れる度にわくわくするのです。

ゲーム中は常に「Aを作るために、Bを手に入れてCを作ってー」という作業間溢れる思考に覆われています。しかしこれが何故か楽しい。この感じは、僕がボードゲームで楽しいと思う『計画をして新しい物を作っていく』『道具を開発して生産を強化していく』という過程と全く同じだと思います。

(C)GUST CO.,LTD. 

エリーのアトリエでは、上記画像のように調合をする際材料を選んだ後、器具を確認する場面がありました。
疾風の竹笛であれば細工道具を、チーズであれば遠心分離機や濾過器を、といった具合です。

ただ材料を鍋に放り込むだけでなく使う器具を示してくれることで、調合という便利な言葉の奥に、現実的な作業の匂いを感じさせてくれましたし、中世ヨーロッパ(っぽい)所とアナログな物作り過程の組み合わせが世界に対する想像力をかきたててくれました。

では最近の作品はどうなのでしょう。

PS3の作品から調合器具が撤廃に

アトリエシリーズの歴史を攻略サイトで追っていたのですが、PS3作品(ロロナ~)になった所からゲームシステムの複雑さ回避のためか器具要素が撤廃されたとのこと。

確かに器具は調合の度に登場するものの、実際には成功率が多少変わる程度の要素しか無かったので、無い方がスッキリするし見た目の複雑さが減っていいかもしれません。

そして固定ファンの根強い人気のPS・PS2時代とは異なり、PS3作品は新規層を一気に取り込んで大ブレイクしたので、そういった試みは当たりだったでしょうし現在のアトリエファンの方はそちらのイメージの方が強いのでしょう。

ただ、世界設定に似合った地味だけど説得力のあった調合過程が、3Dプリンタと電子レンジよろしくお手軽電子釜になってしまったのは少し悲しいな、と思ってしまった単なる懐古厨の今日この頃でした。

エリーのアトリエ、おそらく最近のアトリエを遊ばれている方には物足りない部分もあるかもしれませんが、水彩画のような爽やかさと、視覚的なリアルさが無い故に伝わってくる現実っぽさが素敵なゲームなので、時間のある方は遊ばれてみることをおススメします。

ゲームアーカイブスにもありますしね。

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