ベルサイユ/ Versaillesプレイ人数：2-5人 プレイ時間：90分程度 デザイナー: アンドレイ・ノヴァック |
ルール
ぐるぐる回るワーカープレイスメントゲーム。
何か所かあるアクションスペースは一方通行の道で繋がっていて、ワーカーをどこかのアクションスペースに一歩動かす度に、到着した場所のアクションを行うことができます。
アクションでは
・資源を集める
・宮殿を建築するためのタイルを取る
・装飾品を買う
・宮殿にタイルを置く
などがあり、基本的には宮殿にタイルを置くのが目標。
到着した場所にいる自分の色のワーカーが多ければ多いほど、協力or複数のアクションを行うことができます。
一か所ある王宮のアクションスペースでは、ワーカーを増やしたり2倍移動できるタイルを使用できる状態に戻すことができるのですが、誰かが利用するたびに王様がベルサイユ宮殿に一歩近づきます。
王様が宮殿に到着するか、タイルがなくなったらゲーム終了。
宮殿にタイルを置くたびにもらえる勝利点や、余った資材や装飾品に応じてもらえる勝利点を合計して、最も多いプレイヤーが勝利となります。
1プレイしてみての感想
テンデイズゲームズさんから新しく販売されたゲームの中でも、しっかりとした作りの王道ワーカープレイスメントゲーム風だったので、期待。
ルールを読むと、分かりやすく面白そうなゲームシステム。
ロンデルリングとワーカープレイスメントを合わせたようなルールで、できるだけ複数人でアクションを行えるよう如何に動くかを考えるのが面白そうだなぁと思ったり。
序盤までは良い具合にゲームは進み、ストーンエイジや少し重いけど満足感のあるゲームになるかなぁなんて思っていたのですが、少しずつゲーム展開に異常が。
インフレが激しい部分と進行の鈍化が激しい部分が現れ始め、かなり中だるみする展開になってしまったのです。
その理由は次の通り。
技術ボーナスが強すぎる
- 獲得できる資源を増やす
- 他のプレイヤーがアクション・資源獲得をした際、その場所に自分のワーカーが置いてあればその自分のアクションができる
等の技術ボーナスを比較的容易に獲得することができます。これが強力で、資材の獲得量のインフレが一気に進んでいきます。
それだけなら良いのですが、後述するように宮殿建設自体のスピードは鈍化しやすいため、この歪なズレがゲームに大きな中だるみを生んでしまったように感じました。
宮殿タイルが置きづらく、ゲームが長引きやすい
ゲーム中盤からフィールドに置くことのできるタイルは急激に減ってしまい、そのうえタイル獲得の際に場のタイルをチェンジするコストが高く、欲しいタイルがなかなか出てくれないのでゲーム展開は非常に遅くなります。ちなみにタイル配置のルールですが、タイルは他のタイルと辺だけでなく、実は点においても一致していないといけません。(日本語、原文ルール共に記述無し)
つまり2枚のタイルが斜めに隣接していて、 十 のようにクロスしている場所においては、その4辺が全て同じになるように配置しないと、宮殿タイルを絶対に置けない場所が生じてしまうのです
これから遊ばれる方はお気を付けを。
資材を集めるのが場の中での最善策になってしまう
連続で同じアクションができないというルールも相まって、プレイヤーは余った資材から貰える微小な点を狙いに、資材を集め始めます。
この時には技術が進んでいて資材は非常に容易に集まり、またさらに得点効率の良い装飾品獲得も狙い始めます。
装飾品は宮殿を建設する際に必要なのですが、3点の勝利点を持ち、更に個数に制限があるため他のプレイヤーの宮殿建設を妨げることができます。
この装飾品獲得に走るプレイヤーが多くなってしまい、さらにゲームの終了が遅くなってしまいました。
分かりやすいルールと面白いシステムを持つだけに惜しい作品
あくまで１度遊んだだけの感想なので、登場タイルの順番によってはゲーム展開はもう少し早くなるかもしれませんが、場全体の進行に与える運の揺らぎもデザイン次第だと思うので結構辛口です。
人数が少なくなるとまた違うのかもしれませんが、4人プレーでは王道ドイツゲームには及ばない感じの作品でした。
ただ。待ち時間は比較的少なめで、ルールも分かりやすいだけにもう少し丁寧なゲーム作りをして欲しかったなぁと思うばかり。
流れるように進んでいく盤上のミープル達は、戦略的要素を持たせるのに良いシステムだと思うので、これを軸にまた他のゲームが生まれたら面白いなと思います。
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